阿寒に果つ

2008年11月24日 読書
渡辺作品では此れが一番だと思っている。

で・・無影灯は読んでいない。

あの頃は原田康子の挽歌も同時に読んでいた。

渡辺が慕う少女は原田の挽歌の主人公の女性と被りつつ・・

共に北海道。

きまぐれのように見える少女は奔放で小悪魔的な魅力を持っている。

挽歌の少女は年上の男性に惹かれる設定。

大人の男に振り回されつつ・・男の方も少女の不思議な魅力の虜と成ってしまう。

で・・其れを傍観している学生で有る青年が阿寒に果つの主人公かと・・

私は其の後は暫く渡辺の本を読み漁ったが・・・落胆してしまった。

其の後の渡辺の描く物語の数々は、自分が恋した少女を断ち切る為かのような物語が続いていたからだ。

落胆・・・・

で・・原田康子は其の後は・・・・暫く読み続けたが・・・原田自身が落ち着いた日常に成ったのだろうか・・刺々しい少女の心情が描かれなくなってしまった。

まあ・・当然だろう。

年齢を重ねるとはそういうものだ。

私が両書を読んだのは学生の頃だ。

男女関係など皆無に近い状態だった。

あの頃は両書の内容に深い感銘を受け共感出来たものだ。

で・・現在の渡辺氏の著書。

全く読む気に成れない。

以前に話題に成った失楽園も・・何故にこんなものが売れるのか・・疑問だった。

失意感は其の後も続き現在に至る。

と・・・

あの頃の純な頃には私も帰れない。

しかし・・帰る事が出来れば帰りたい。

無垢な純粋な人を思慕する心は、年齢を重ねても心の底に残しておきたいと思うからだ。

あれから私は結婚してから両書を再読した事が有るが・・・不毛な婚姻生活にどっぷり浸かっていたのに、私には希望の光を思わせてくれるものだった。

其れから何度読んでも・・

今に至り自分の現在の状況を思えば、何故に年下の彼と付き合うように成ったのかと。

彼は純粋な心が基本に有るからだろう。

人格の基本中の基本が純だという事。

だから・・喧嘩しても彼を尊敬しているので今も交際しているのだろう。


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